松枯れは害虫への過敏反応

 松林を一斉に枯らす「松くい虫被害」は、アレルギーを持つ人間がアレルゲンに過剰反応するように、松が害虫に過敏に反応して起こることを、森林総合研究所のチームが突き止めまたそうです。

 松食い虫被害は松枯れとも呼ばれ、正式にはマツ材線虫病で、日本のマツ属樹木に激害を起こしている萎凋病です。病原体はマツノザイセンチュウであり、その伝播には媒介者としてマツノマダラカミキリが重要な役割を果たしています。

 松くい虫被害によると考えられる松の集団枯損の記録は、1905年に長崎市周辺で発生したものが最初だと言われています。その後兵庫県赤穂市でも被害が発生し、以後九州山陽地方に被害が広がりました。1970年以降は台湾、香港、韓国、中国など東アジアでも発生、問題になっています。

 マツノザイセンチュウ(線虫)が松の木の内部に入ることで、松の木は自分の細胞を殺す働きを持つ遺伝子が多数働きます。これは細菌などの侵入を防いで身を守る反応ですが、過剰に自分の細胞を殺し、急激に木が弱ってしまうということのようです。がん細胞が増殖するような感じでしょうか?。

 抵抗力のある品種ではこの遺伝子は弱い品種の半分程度しか働かず、線虫に対抗して細胞の壁を厚くする遺伝子が検出されたそうです。